定量検査とは
定量検査をされていますが?
 一般的な便潜血検査では、便中から血液が検出されると「陽性」、検出されないと「陰性」と判定を行い、陽性ならば「内視鏡検査」をおすすめします。しかし近年は試薬の改良が進み、微量の潜血も検出できるようになり、一定の濃度を超える血液(ヘモグロビン)が検出された時に「陽性」と判定するようになりました。
 当センターの定性検査では100ng/ml相当l以上の血液を検出すると「陽性」と判定していますが、検査施設によって陽性・陰性を判定する基準となる濃度はバラバラで、50ng/mlで陽性と判定するクリニックもあれば150ng/mlを超えても陰性の施設もあります。(吹田市の市民検診では120ng/ml以上を陽性としています)。定量検査では、検査キットの溶液中に含まれるヘモグロビンの量を数値(ナノグラム)で測定し、結果票に返します。



定量検査・陽性反応的中度推計のグラフをどう見るか?
 定量検査で出る数値結果をどう見るかについては、様々な議論があります。各種の調査結果がありますが、調査対象者の年齢構成などで結果が大きく変わります。調査の多くは当センターの受診者層に比べると高齢者の方の比率が高く推測の域を出ません。宮城県対がん協会がん検診センターでの調査と大腸がんの国内発症率も含めて推計しますと、陰性の9割を占める40ng/ml以下の方については、と、進行がんの確率は全年齢で0.2%程度であると思われます。この値は全年齢で30代では0.01%未満と推計しています。進行がんは50ngから現れており上昇してくるのは250〜500ngを超えてからとみられます。
 便潜血検査の定量値から、内視鏡検査(精密検査)にすすむべきかは、医師と相談しても非常に決めるのが難しいと思います。定性検査では「陽性ですので受けておこう」というのは簡単ですが、数値が出てしまうと、通常なら陰性となる40ng程度でも、大腸がんはゼロではありませんし、「検診結果説明でも医療訴訟が起きている」現状ではわずかでも血液を検出した場合内視鏡検査をすすめる事になるかもしれません。

年齢による定量検査の結果と罹患率の関係は?
 次の表は宮城県の調査・国立がんセンターの統計などから、大腸がんの罹患率を按分計算を繰り返し、統計的にシュミレーションしたものです。一定の誤差は生じておりますし、母データの関係から、罹患率が高めに出ている可能性はありますが、この結果を見ますと大腸がんの罹患率が1%を超えるのは55歳以上の陽性の方、定量検査では55歳以上かつ150ng/ml以上の方、60歳以上では100ng/ml以上の方、65歳以上では40ng/ml以上の方となっています。また罹患率が0.1%以下となるのは、30代までは150ng/ml未満、50代までは40ng/ml未満となります。60代以上では40ng/ml未満でも0.15〜0.25%程度の罹患率と予想されています。

・50ng/ml未満
 ほとんどの検査施設で陰性としています。大腸がんの罹患率は全ての年代で非常に低いです。
50〜150ng/ml  検査施設によって陽性・陰性が分かれる数値です。大腸がんの罹患率は低いです。
・150〜250ng/ml ほとんどの検査施設で陽性と判定しています。数値の上昇とともに大腸がんの罹患率は増加します。
・250ng/ml以上 大腸がんの罹患率が2%を超えます。数値の上昇とともに罹患率は増加しますが1000を超えて大きな数値が出ても罹患率が上昇し続けるわけではありません。
*当センターの定性検査では100ng/ml相当の濃度を超えると陽性と判定しています。大手臨床検査センターが実施する便潜血検査では100ng/ml程度以上を陽性としている場合が多いようです。当センターのある吹田市の自治体検診では120ng/ml以上を陽性としているとの事でした。(2015年回答)



内視鏡検査の必要度を見極めるための便潜血検査
 陰性でも大腸カメラが必要なのではないかという考えもありますし、大腸がんの確定診断には欠かせない重要な大腸カメラですが、検査時の事故も無視できない現状では、受診者の費用負担、身体負担も含めて考えると、この検査で陽性である方や、症状などにより精密検査を必要と指示された場合は必要な検査ですが、健康な人がむやみに受診するのは疑問に感じます。内視鏡検査は特別な訓練を受けた一人の医師が1日に数人の検査しか行うことしかできず、キャパの問題も含めて、多くの方々に低コストで行うことが難しいのが現状です。

 日本消化器内視鏡学会が内視鏡専門医の所属する全国518施設で、2003年より2007年までの5年間に起きた内視鏡検査での事故(カメラが腸管を突き破るなど)では1700検査に1回の確率で起きています。胃カメラでの確率は2500検査に1件、大腸内視鏡だけで見ると1400検査に1件となっています。内視鏡検査による死亡例は5年間で46例、27万検査に1件の確率となります。大腸がんの早期発見にはかかせない検査ですが高度な技術を要する検査です。一般の受診者が施術医を選ぶことは難しいですが、偶発症(検査事故)についての説明があり,万一の時の体制がしっかりした経験豊富な医療機関で検査を受けることが重要です。

内視鏡検査を受ける前に

 私が人間ドック結果システムの開発を手がけていた健診機関でも、内視鏡の設備を導入して、週に1〜2回、大病院から内視鏡の技術を有している医師を呼んで大腸ファイバー(大腸がん内視鏡検査)を実施していた時期があり、希望者も多く収益性も良好でしたが、他の施設で起きた検査時の事故を調査・検討した結果、万一の時の緊急手術の体制を用意することができず、救急搬送の可能性もあるということで中止した事例があります。

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 郵送いただいた検体から、1週間程度で結果をお届けします。


当センターの大腸がん検査は
  1. この検査は

    検便で、便に混じった血液を調べる検査です。2日間の便を検査し、毎年受けることで精度を高めています。
    この検査で陽性となったときは、大腸ファイバー検査を受けてください。

  2. 受診しやすい料金

    自宅で手軽に出来る大腸がん検査キットを着払いでお送りします。定性検査の料金は、おひとり 1400円 送料560円(5名分まで)です。(定量検査もお選びいただけます)クレジットカードやコンビニ払いを希望される方、お急ぎの方はアマゾンよりご注文ください。ご家族など、まとめて申し込まれるとお得です。人数分の返信用クッション封筒(切手不要)をお送りいたします。
  3. 検査の方法

    お届けする、検査キットの「採便容器」で二日間、便を採取してください。これを郵便でご返送してください。約1週間で結果をお送りします。この検査キットは便を採取するための容器で医療機器ではありません。
  4. 検査の実施は

    当院にお送りいただいた検体は、多くの医療機関と同様に大手の検査会社のラボトリーで検査を実施しています。
  5. 検査キットの使い方

  6. 配達日の指定について(アマゾンを利用される場合は配達日の指定も可能です)

     検査キット発送は代金引換郵便を使用します。配達日時の指定はできませんが、お留守の場合は「不在票」がポストに入ります。不在票に記入されている郵便局に連絡することで、希望の日時に再配達してもらうことが可能です。ただし1週間程度で返送されてしまいますので、不在票が届いたときは、お早めに郵便局に連絡してください。
  7. 通販型大腸がん検査の流れ

    @ネットでお申し込みください。
    ☆申し込み受付時と検査キット発送時に案内メールをお送りしています。ドメイン登録をされていると、これらのメールは届きません。

    A代金引換郵便で採便キットが届きます。料金を支払い、キットをお受け取りください。
    ☆土・休日の発送は行っていません。

    B問診票を記入して、説明書のとおり採便を行ってください。⇒採便容器と記入した問診票を返送してください。

    C採便は二日間行ってください。

    D郵便局またはポストから返送してください。(返送料金は当方で負担します。)⇒採便後、速やかに発送してください。2回目の採便まで日数が開くときは別々に発送してください。最初の発送時に問診票を同封してください。また後日送付することを明記してください。2回目の発送は1回目から1週間以内にお願いいたします。なお2回目の発送については封筒・送料はご負担ください。

    E検査結果は1〜2週間後に郵便でお送りします。

    ☆検査結果が異常ありの場合、結果を書留郵便で郵送しています。

    ☆検体発送後、14日間たっても結果が届かない場合はご連絡下さい。(原則として検体到着後2営業日後に普通郵便で結果を返送しています)

大腸がん検査を受けましょう

増えている大腸がん

 毎年、12万人もの方が大腸がんを発症しています。大腸がんの発症は60歳以上の方に多いため、医療に携わる者も含めて若い人は、たとえ症状が出ていても見過ごされがちですが、30代で1000人程度、40代では約5000人の方の大腸がんが発見されており、見過ごせない実数となっています。仕事や子育てに忙しい30〜50代の方々の大腸がんは、高齢者に比べ侵攻が速いことが多く、また発症した時の仕事や家族の生活に与える影響も深刻です。近年、大腸がんは早いうちに見つかれば治る病気と言われていますので、特に早期発見が重要と考えますが、この検査の受診率は高くありません。

 私たちは、出来るだけ多くの方に大腸がんの検査を受けていただけるように、運用方法を工夫し、コストを見直して「郵送型の大腸がん検査」を始めました。インターネットを利用し、郵送型とにすることで、何度も医療機関や保健所に足を運ばなくても、手軽にお受けいただけます。検査の信頼度を上げるため、大手の検査機関に検体検査は依頼しています。

多くの自治体で40歳以上の方などを対象に大腸がん検診を実施しています。詳細は、各地の保健センターや保健所などにお問い合わせください。

大腸がんに関するリンク集

財団法人 日本対がん協会 大腸がん検診の流れとその効果 
*大腸肛門病辞典 「大腸.COM」 
*科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 
*特定非営利活動法人ブレイブサークル運営委員会「ひろげよう。大腸がん検診の輪」 
がんの統計 - がん研究振興財団 

郵送検査キットセンター TEL 06-7369-1725


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